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心の中に特別な場所がある。 まあ、そーゆうのもええやろ。みたいな観劇日記。

それを、知るべきか。◆オイディプス王

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こんばんは、akaneです。

お盆は東京と横浜に旅行に行き、リフレッシュしてきました。
そしてシルバーウィークは宮崎県へ行きます。旅行大好き。お金超ない。

さてさて、本日はお休みだったので雨の中オイディプス王行って参りました。

パンフを読んでびっくり。
この公演、専科と月組宙組ごちゃ混ぜなんですね!しらなんだ!そして、幕間ないんや!!と驚く。
一番のびっくりはヒロインが、カチャ(白目)。え、みんなしってたん??(知ってたわ)

とまあ、いつも通りの無知っぷり。

そして、パンフのナガさんがコマかと思ったり、羊飼いのコマガタ、ワイルドーー!!かっけーーー!!!とときめいたり。

ではでは、感想は以下に。

知ることの怖さと、知らないことの怖さって、どちらが大きいんでしょうね。
綺麗な部分だけを見て、汚れた部分は知りたくない。恥ずかしながら、どちらかというと私はそうです。
物語の中の予言者のナガさんや、王妃のカチャが、オイディプスに真実を知らせまいとする姿はよくわかる。知らないまま、平和に暮らしていく方が良いだろうと。
でも、きっと知らないって残酷で 、逃避で、ただ傷を負うことを避けているだけなのかもしれない。知ること以上に。

そして、トドさん演じるオイディプス王は真実を知ろうとした。
先代の王(ライオス)を殺した犯人をのさばらせているから、この国は豊かにならないのだという神のお告げに従い、国と民を救うために、真実を知ろうとする。
観客はかなり早い段階で、これって、オイディプスが殺したんじゃないの?ってことに気付くんですが。

ちょっと話がややこしくって、頭整理するために書くね。
かつてテーバイ国のライオス王は子供に自分が殺され、妻を娶られるという予言を聞いた。だから子供(オイディプス)の踵にピンをうち、山奥に捨てた。そして捨てられた子供を隣国の羊飼いが拾ってそのまま自分の国の王に渡した。
オイディプスは王子として成長して、ある日宴の席で酔っ払った奴に王と王妃の本当の子供ではないことを聞く。ショックを受けたオイディプスは神に自分は本当の子じゃないのかを聞きにいくと、「お前は父を殺し母を娶るだろう」とお告げを聞く。それではここにいられないと思ったオイディプスは城を捨てさまよう。その途中、馬車にのった奴らといさかい?になって、5人中4人を殺す。1人は逃げた。そして、殺された中に居たのはライオス王だった。
オイディプスは勇敢に生きていき、やがてテーバイの国の王になる。そして、ライオス王の妃だったイオカステ(カチャ)を自分の妻にした。

まあ、こんなあらましで結局予言はあたってるんですけど。
ややこしいのは、色んなことが複雑に絡まっていること。
盲目の予言者(ナガさん)がオイディプスを犯人だというのよね。訳分からん、俺そんなんしてないわみたいなオイディプスは、イオカステからライオスの最期を聞いた時に、場所とか人数とか聞いて「え…もしかして俺が殺したやつらってライオス王たちやったんじゃ…?」ってなるの。そうそう!!気付いたか!!とか思ってたら、この時点ではオイディプスは自分がライオスをやっちまったことは分かったんですが、いかんせん自分の生まれとかそんなんは知らないので、イオカステと共に「オイディプスがライオス王を殺した犯人やった、でも予言とかはまだ知らん」状態なのね。

ところが、隣国の使者(まりんさん)から隣国の王がなくなった知らせを聞き、(オイディプスはこの隣国王が自分の父だと思っている)自分が王を殺したわけではないので神のお告げなんてぷっぷ~!と喜ぶオイディプスとイオカステでしたが、使者からオイディプスは本当の国王夫妻の子供ではないこと、山奥で拾ったこと、踵に傷があることを聞く。そして、オイディプスよりも先に恐ろしい真実を悟ったイオカステは動転し、叫びながら絞首自殺をする。かつての自分の夫を殺したのが息子で、そしてその息子を息子と知らずに結婚し子供をもうけていた事実に驚愕。

呼び寄せられた羊飼い(コマガタさん)から、ライオス王に命じられて子供を山奥に捨てにいったが可哀想で置いていけずに隣国のものに渡したこと、ライオス国王と共に馬車でオイディプスに襲われたときに一人逃げ延び、真実を隠すためにオイディプスに襲われたことを公表しなかったことを聞く。ついに決定的な真実を聞かされ全てを悟ったオイディプス。(遅いよ!)

イオカステは死に、オイディプスは断罪の思いから自ら両目を潰し、国を去ることとした。

ふー。劇中に「ちょっと待って、頭整理するからいったんお芝居とめて!!」と思いながら見てたのを書き出してみてすっきりだぜ。こんな話であってるのかな?

観客全員がわりと最初のほうで恐るべき真実に気付いている。知らないのはオイディプス。
彼が真実を知ろうとする度に、「え、知っちゃうの?やめといたほうがよくね?」という空気になる。(気がする)

真実を知ろうとする彼を、誰一人とめることはできなかった。
知らなければ、これまでどおり暮らしていけたのに。それでも彼は、真実を知ってしまった。
そして、真実を知った後彼は「死」に逃げなかった。目を潰して己の盲目さを罵った。自分のことを呪われた身だといい、国や民のために国を出て行くことを決める。ひとつも逃げなかったんだね。でも、あまりにも悲しい人だった。

知らないままでいること、知ろうとすること。
全ては自分自身が決めることで、それによって生まれる苦しみや安堵や全ての感情は自分自身で背負っていくものなんだなあと思いました。上手く言えんが。


さらっと感想。

・開演アナウンスからすでにしびれまくるトドさんのダンディボイス。確認するけれども、本当に本当にこの人メンズじゃないの?(真顔)
そして、トドさんの衣装も髪型もたまりません。夜王だよ…かっけえよ…。そして声の緩急も素晴らしい。怒鳴ったりドスを聞かせたり優しい声になったり。
ほんと、でずっばりで台詞も物凄かったね!美貌がいつまでたっても美貌のままなのでひれ伏すよ。絶対サイヤ人なんだよトドさん…(※サイヤ人は年をとらない)
ところで、トドさんが目を潰した後のシーン、登場してきた彼の目の下が血だらけで震えました。しかも、「あれはシールとかなのかな…?」と思ってみてたら時間が経つにつれ、ツーと血があごの下まで垂れてきてるので、液体なのか!すげえな!!と思いながら見てました。なんか二人の貴公子のみりおくんを思い出しました。
最後、彼がクレオンに頭を下げて頼みごとをし、去っていくシーンなんか涙出そうでした。

・カチャ、美しいね!!!つーか、ほせっ!元々声は高いほうなので娘役でも違和感ありません。衣装の着こなしも素敵で、「どんだけ腕長いねん」と思いながら見てました(笑)まりんさんの話から、だんだん真実を悟り表情が変わっていくところが見どころ!そして要所要所に出てくるトドさんとの僅かなふれあいシーンも必見です。

・クレオン◆みつるくん。この話の中では二番手ポジですね。歌も結構あって、わりと安心して聞けました。それどころか、「あら!?みつるくん上手いじゃん!」と思いながら(笑)そういや、彼は客席から走って登場してくるんですが、遅れてきたお客さんかと思って「んもぉ~誰よシャンシャン!うるさい!静かに入ってこいよ!」とか思ってごめんね!
オイディプス王に散々ひどい言葉をなげかけられてぶつかり合ったり、最後は和解したり。重要な役どころさ!目のクマも素敵だぜ!

・おじじカルテットのハッチさん、ナガさん、まりんさん、コマガタさん。こんなにおじじばっかり出てくる舞台みたことない(笑)あっちもこっちもじじだらけ!色んなおじじそろえてますよ~!と店が開けるかと思ったわ笑
愛してやまないコマガタさんですが、パンフでワイルドイケメンー!とはしゃいでたのにまさかの枯れたおじじ役でわらけた(笑)それにしても、コマのあの髪の毛、地毛じゃないよね…?とにかく、おじじのくせにうつむいた角度とか超イケメンじじいだったので見てね!

・すーちゃんの巫女っぷりも良かった。冒頭の長々した説明時にちょっと噛んじゃうのもご愛嬌。

・るうくんはあんま見せ場ないな~と思ってたら、トドさんが目の血をスタンバってる間、民衆に向けてオイディプスとイオカステのことを話す場面でめっちゃ見せ場あったわ!やっぱり彼、上手いのよね~。あの語りも下級生にはなかなかできない気がするよ!

・下級生たちも、長らくの座位お疲れさん!姿勢見てたけど結構辛そうでしたね!

そしてそして。
特筆すべきは、音のないフィナーレでしょう!
BGMも、ダンスもポーズもなく、出演者ごとに舞台に登場してお辞儀をする。お芝居の世界観とマッチしてて、とってもシンプルですが素晴らしかった。

時間にすると1時間半と短かったですが、十分おなかいっぱいです。

ではでは。
次は週末にガイズ!

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